巡る街vo.1北見で出会った七輪の魔法

巡る街vo.1 巡る街
毎年2月の北見焼肉祭りが有名

 北見へ出張――いや、旅に出かけました。
出張の楽しみといえば、やっぱり“ご当地グルメ”。北海道出身なのに、都心暮らしが長かったせいで、実はまだ知らない味がたくさんあるのです。広い北海道を改めて旅すること、それが帰郷してからの私の楽しみになっています。

 今回の目的地・北見市は“焼き肉の街”として有名。情報を得てから当日まで、大好きなお肉をぐっと我慢して臨みました。どうせなら地元の人おすすめのお店に行きたいと思い、ホテルのフロントで紹介していただいたのが『味覚園 総本店』。

店内に入ると、カウンターには七輪がずらり。ひとり焼き肉にもぴったりの席が用意されていて、胸が高鳴ります。メニューを開けば「生ホルモン」「特ダレさがり」が推しとのこと。迷わず注文しました。

ただ、ホルモンの焼き方がわからない…。店員さんに尋ねると「プツプツと油が出てきたら食べごろですよ」と教えてくれました。なるほど!少しカリッとした食感を残しつつ、口の中で広がる旨み。特ダレさがりは柔らかく、我慢していた自分への最高のご褒美でした。

ところで、なぜ北見が焼き肉の街なのか?聞いてみると、昔、国鉄北見駅の裏に屠畜場があり、新鮮な肉が身近にあったのだそうです。特にホルモンは安価で手に入りやすく、職員が鍋で煮込んで食べたのが“もつ鍋”のルーツ。そこからホルモン焼き文化が広がり、今の焼き肉の街へとつながったとのこと。

毎年2月には「北見厳寒の焼き肉まつり」が開催され、氷点下の屋外で1,500人が七輪を囲むというユニークなお祭りもあるそうです。想像するだけで胸が熱くなります。

 今回の旅で学んだのは、七輪で焼くホルモンの“プツプツ油”が美味しさの合図だということ。北見での炭火焼き体験は、まさに贅沢で忘れられない時間になりました。

タイトルとURLをコピーしました